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特集

2025-10-28

特集 上田紬の魅力

はじまりから360年。日本三大紬のひとつ「信州・上田紬」の、自由な気風から生まれた工芸の魅力をご紹介します。


「紬」って・・・?




古くから信州では、桑の木を育てて解雇を飼育し、その繭から糸を紡ぐ養蚕業が盛んでした。
江戸時代には、国内全体で絹織物の増産が盛んになりましたが、
庶民の衣服には規制があり高級品は着ることができなくなったこともあり、
絹になる生糸には適さない「くず繭」を集めて真綿にして、
その真綿を紡いで織られた着物が着られるようになりました。

すなわち、それが「紬」!
つまり、上等な生糸は絹織物として上納されましたが、「紬」は庶民の日常着だったのです。
これは、使えるものは使って生活に役立てようとする、エコの先駆けともいえるのではないでしょうか。
そして、そのざっくりとした風合いは、手ざわりが良く、軽くて丈夫で、人にやさしい繊維として
全国的に認知されるようになりました。

粋で自由な上田紬




工芸コラムでも触れましたが、
上田紬は江戸時代「結城」「大島」と並ぶ「三大紬」と称されていました。
その記述は、井原西鶴の「日本永代蔵」や、喜多川歌麿の美人画に描かれていることからも、
その時代の粋な織物として人気を誇っていたことが伺えます。
そして昭和50年に、信州紬として国の伝統的工芸品に指定されますが、その大きな特徴は、
他の産地に見られる厳格な規制や、色柄の指定がないというところ。
「生産者の数だけ個性がある。」というおおらかさが、作るアイテムに制限を与えず、多くの商品を開発していきます。







また、糸の染色から生地のデザイン、織りまでほぼすべての工程をそれぞれの職人さんが手掛け、
分業制をとっておらず、それを仕切る産地問屋の存在がないことも、各職人さんの個性を引き出した要因といえるでしょう。

その自由な気風が、今日の上田紬を作り上げます。

工房を訪ねました。



現在上田紬に携わる工房は、4社。
今回は、長野県上田市常田にある、「藤本つむぎ工房」を訪ねました。
歴史は、江戸初期の1661年に長野県で初めて蚕種の製造販売を行った、藤本善右衛門の時代から、
絹に携わること350年以上の、由緒ある工房です。



工房にはいくつもの機織り機が並びます。
そして反物とともに、洋服地、バック、帽子が展示されています。
ひときわ目をひくのは、小銭入れやペンケース、印鑑入れやティッシュ入れなどのかわいい小物たち。





「紬はもともと庶民の着物なので、芸術品ではないんです。だからこそ、ふだんから使えるものを。

どんな方にも気軽に紬を楽しんでいただきたい。
そんな思いから、数年前に社内に縫製室を設置したそうです。それまでは縫製は社外に委託をされていたそうですが、
「ここでしか手に入らない魅力的な小物を作りたい。」
という思いから、これだけ多くのかわいい小物たちが生まれたのでした。





紬は、保湿性があって、夏はひんやりと感じ冬はほんのりとした温かさを感じるのが特徴。
そして、なんといっても軽くて丈夫。
上田紬の別称は、「三裏縞(みうらじま)」といって、
裏地を3回取り替えるくらい長持ちするということが由来だぞうです。

「質をしっかり保ちながら、新しいものを作り続けていきたい。
伝統とは変わり続けることだと思うので。」

と、佐藤さんは語ります。

そんな、長い歴史と「質」が伴った伝統工芸品を今、私たちが身近に感じることができるのは、
携わる皆さんが常に新しいことに挑戦してこられたからこそなのでしょう。


粋で、自由で、かわいい!
上田紬の小物たち。
ぜひ触れて、使って、楽しんでください。




ペンダント 小 1,320円


ティッシュ入れ 1,650円


ペンケース 2,750円



ジュエリー入れ 2,970円


小銭入れ 3,300円





おくすり入れ 4,400円


名刺入れ 4,730円

柄粋はお選びいただけます。
数量に応じお見積りいたします。お気軽にお問合せください。