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工芸コラム

2025-08-11

名古屋で約90年作り続けられてきた、「名古屋箸」。

名古屋市北区で、親子二代に亘り、黒檀などの銘木の箸を作り続けてきた、
「福本竜三製箸所」

二代目の福本光男さんが、このたびご高齢のため引退をされました。
福本さん製作の、最後のお箸のご紹介です。




黒檀は、インドやスリランカなどに生息しているカキノキ科の樹木。
成長が遅いため緻密で、桐の4倍以上の比重があるといわれています。
腐りにくく、虫や水にも強いため、家具や楽器にも使われる銘木です。

硬さや、適度なしなやかさがあり、箸にもふさわしい材のため、
福本さんはこの黒檀材にこだわり、長きにわたり箸を作り続けてきました。





独自の技法で削られる、箸先。
箸は、箸先3センチの部分が重要といわれています。

「つまむ、はさむ、すくう、おさえる、
 裂く、のせる、はがす、ほぐす、
 くるむ、切る、はこぶ、まぜる」

箸のすべての機能が、すべてスムーズにできる箸、
福本さんはその理想を追求し、自分の手の感覚を頼りに、日々作り続けて来られました。



黒檀
材は、日本に入ってきてから約3年間、
狂いや割れがおきないよう、
このような状態で寝かされます。



福本さんは、「3年後はもう納得のいく仕事はできないなぁ・・・」
3年前に仕入れた材が終了したところで、引退を決意されました。





名古屋の象徴、「金シャチ・名古屋城」が印刷された桐箱入の 福本さん最後の名品「名古屋箸」
2膳入りで、税込8800円。
各23.5㎝。少々長めですが、全体が細く、また箸尻を削いでいるため、長さはあまり気になりません。
また余談ではありますが、若干長めのお箸の方が、所作が美しく見えるともいわれています。

削いだ部分には、石川県加賀市の加賀蒔絵の職人さんによる「金・銀の蒔絵」が施されており、
最終工程の漆塗りは、福井県小浜市の漆塗り職人さんが仕上げています。

中部地方の工芸技術が凝縮された、最後の「名古屋箸」

名入れも可能です。





夏の贈り物としても、
喜ばれることでしょう。



「名古屋箸」は、下記ショップでもご購入が可能です。
https://www.makemyday.jp/SHOP/50009.html

また、福本光男さんの意志を受け継いだお箸を、現在福井県小浜市にて試作中です。
いずれまた、このコラムにて、ご報告をさせていただきます。